公演台本 Spelling 01-Pole- 六道の月

それは宿命と因果に導かれた「対(つい)」の物語。
光に闇が、正には負が、
「右」には「左」があるように・・・・。

天正15年。

とある新月の闇夜、
近江との県境にある「雷雲峠(らいうんとうげ)」を
侍の一行が都に向かい旅路を進めておりました。


侍大将である「壬生晴十朗」


その部下二十名ほどの一行。
雨のそぼ降る闇夜では視界も悪く提灯の灯りだけでは
目の前の人間に追いつくのが精一杯。
しばらくの後、休憩を取る一行は
一人の侍が足りぬ事に気がつきます。
それこそが、情けなさを画に描けば
右に出るモノはいない、侍所の足手まとい
「辛木藤右ェ門(からきとうえもん)」。


度胸も意気地もない、人を斬った事もない侍。
では何故侍になったのかと
聞かれても「父親が侍であったのでなんとなく」などと
答える始末。
そんな情けない侍が一人、
人気もない山道を歩いておれば、
それを獲物と嗅ぎ付けてやってきたのは八人の山賊。

雷雲峠の山賊は出会えば身ぐるみ剥がれ
命まで持って行かれると畏れられておりました。
山賊の頭が「
命が惜しければ身ぐるみ置いてここから去れ!」と
叫ぶと、何のためらいもなく刀も着物も
脱ぎ捨てて山肌を転がるように
藤右衛門は逃げて行きました。

だがそれも山賊の余興、
次第に雨は強くなり激しい雨粒と雷。
どこまで走っただろうか

沼のような泥濘に転げ落ちる、周囲の木々には
山賊達が取り囲み死を覚悟した藤右衛門。
・・・・その時泥の中から
掴み取ったのが一本の「刀」。


そして「刀」から聞こえる声。
「刀の使い方も知らぬのなら、俺が教えてやろう」


襲い来る山賊、
一閃のうちに仕留めたのは、藤右衛門。
いや、正確にはこの刀に操られた藤右衛門。
その鋭利な切り口は一目で達人のそれと分かる。

刀に封じ込められた「因果」が
藤右衛門と、かの鬼と呼ばれた「人斬り」を
出会わせたのであった。

孤高なる人斬りの道は、新月の闇夜からはじまり、
大輪の月を描いて終わる。
藤右衛門はその意味もまだ分からぬまま、
己の宿命の旅路を歩み始める。


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2008年10月9日 第1版発行
作:乾 祐子
著者:VARNA-The Another Words-
発行:ソーサルキングダム
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